地下鉄サリン 審理入り、重い後遺症残る被害者は <br /> <br />オウム真理教の元信者、高橋克也被告の裁判が、裁判員裁判では初めてとなる地下鉄サリン事件の審理に入りました。 <br /> <br />この裁判を被害者はどう見ているのでしょうか。 <br /> <br />死者13人、負傷者6000人以上。20年前、日本を震かんさせた「地下鉄サリン事件」。 <br /> <br />送迎役として殺人などの罪に問われた高橋克也被告(56)は実行グループメンバー最後の1人です。 <br /> <br />「事件2日前、リムジンの中で麻原、村井、井上らが強制捜査を阻止するための方法を話し合いました」(検察側 冒頭陳述) <br /> <br />13日の裁判で検察側は、「松本智津夫死刑囚がサリン散布役と送迎役10人を指名し、井上嘉浩死刑囚が事件前日、『強制捜査を阻止するために地下鉄にサリンをまく』と伝えた」と指摘。 <br /> <br />「被告人は無差別大量殺人を共謀していた」と主張しました。 <br /> <br />資料に目を落とす高橋被告。 <br /> <br />向かいの席では被害者の家族が厳しい表情を浮かべていました。 <br /> <br />この裁判に被害者として参加する会社員の浅川一雄さん(55)。 <br /> <br />妹の幸子さん(51)には今も重い後遺症が残っています。 <br /> <br />幸子さんは働いていたスーパーマーケットの研修に行くために乗った地下鉄で事件に遭遇。 <br /> <br />サリンは「視力」と「体の自由」を奪いました。 <br /> <br />今の楽しみは大好きだったチェッカーズの音楽を聴くこと。 <br /> <br />一雄さん家族と暮らすようになり精神的には安定しました。 <br /> <br />しかし、体の硬直が日一日と進んでいます。 <br /> <br />記憶のほとんどを無くした幸子さんは、オウムについて聞かれると必ずこう答えます。 <br /> <br />「大バカ」(妹の幸子さん) <br /> <br />「大バカ、大バカだね」(被害者参加人 浅川一雄さん) <br /> <br />「死刑」(妹の幸子さん) <br /> <br />「死刑、これはいつも言っていることは一緒ですね。(事件がなければ)結婚して子どもを産んで。そう思うと妹の失われた20年というのは長いと思う」(被害者参加人 浅川一雄さん) <br /> <br />20年を経て再び始まったオウム裁判。「妹の代わりに・・・」、一雄さんは初めて被害者参加人として法廷に入りました。 <br /> <br />「相手の弁護する人たちは、人を傷つけたり殺したりするような ことはやっていないと話していた」(初公判でのメモ) <br /> <br />そして13日。 <br /> <br />浅川さんらが見守る中、高橋被告側は地下鉄サリン事件について「被告人のワークは運転手で、サリンをまくとの説明は聞いていない」と無罪を主張しました。 <br /> <br />「(被害についての)話を聞くと、当時に引き戻された。妹に報告しながら、自分の中でもちょっとずつ変化があればなということで」(被害者参加人 浅川一雄さん) <br />(2015年2月13日16:35)
